『山桜』

a0033530_22501824.jpg上映館が極端に少ないため、普段は行かない映画館まで遠出してきました。それにしても、この私ですら最年少と思われるくらい、観客の年齢層はとっても高かったです。
こんなシニアな方々に囲まれて見る映画も始めてでしたが、それだけ藤沢周平作品の人気の高さと、映画化への期待が大きいということでしょう。

主演は最近出演作が目白押しの田中麗奈。これに対して共演が東山紀之。とくれば、多少なりとも華やかな展開を想像しますが、二人とも抑制された演技で静かに演じきっており、エンターテインメントとは程遠い作品になっています。
東北小藩の武家の生活様式や農民の暮らしぶりなど、本当に丁寧で細やかな作り込みが見事です。

映画はゆっくりとした同じペースで淡々と展開するため、ようはこのペースを心地よく受け入れられるかどうかが、この作品に対する評価の違いに現れると思います。
特にシーンとシーンの繋ぎに繰り返される季節の風景描写は、単調さ故にシニアの男性客の中には居眠りしていた人もいたようです。原作小説の行間を表現するような手法として効果的ではありますが、多用し過ぎて映画の連続感が失われ、観ているこちらの集中力もブツ切れになってしまうというマイナス面が現れています。

唯一の煌きあるシーンはヒガシの殺陣シーン。私欲に溺れた藩の重臣を一人で襲撃する場面。取り巻き連中を相手にするときは怪我をさせぬよう素手で戦い、斬るのは一人のみ。思いつめた武士の気合を感じさせる、力強く、そして美しい殺陣を見せてくれます。

映画はラストシーンが全て!ところが、いきなり一青窈が歌う主題歌がエンドロールの前から流れ始めたには、びっくり。最も重要な場面なのに、一気にテレビドラマの雰囲気に急降下という感じ。全編を通して維持してきた静かなイメージを最後の最後まで貫いて欲しかった。ポピュラーソングは映画本編が完全に終わりエンドロールからでないといけません。
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  by risky_k | 2008-06-14 22:51 | risky_k's MOVIE/TV

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